鳥雑記―春
最近、鶯がにぎやかだ。
よく耳をすませてみればあの鳴き方をしていない鶯は結構いるものだ。
「ほー、ほけきょ」
というのではなくて
「ほっ ほけっ ほけっ」みたいなやつとか
「ほーほけー」とか……
うちの近所は静かなのと、近くに森があるから鳥たちがよくさえずっている。
それでよく聞こえるのだ。
同僚に話してみるけれど、
みなあまり鶯の声を聴いていないようであった。
ここは季節ごとに鳥たちが訪れる場所で
もちろんカラスは通年存在しているけれど
カラスだって鳴き声が違うのだ。
微妙に波長が違うというか、音が違う。
個性がある。
羽根も栄養状態によるのか、光の加減によるのかわからないけれど、
濡れたように光る黒もあれば
まっすぐに黒い黒もあれば
なんか毛並みが頼りなくて薄く感じられる黒もある。
「あら、ちょっときれいな毛並みだから見せてね」という感じで見ている。
向こうは
「変な奴がきたな」って思ってるのかもしれないけれど、カラスですら見分けられるような域に達したのだろうか。
昔は全然そんなことなくて、
カラス怖かったのに。
襲われたこともないし
いたずらしたこともないし
でも、ひたすら怖くて仕方なかった。
昔は怖いものがたくさんあったんだけど、今は人間くらいしか怖いものはない。
やっぱりそれは昔からそうで、生きてる人間は一番怖い。
鳥はその点、人間よりも賢い感じがする種類がたくさんいる。
人間味あふれる鳥もたくさんいる。
人間に擬人化して捉えるしかできないのが残念だ。